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亡き母を偲ぶ・兄嫁へのプレゼント
2008-08-20 Wed 10:00
長い間、お袋に仕えた労苦に報いるため、兄と2人で兄嫁にささやかなプレゼントを贈ることになった。

3年前、腸に悪性のがん手術。

腸が破裂して、何日もたまっていた便が体中に散った。

大変な手術になって、人工肛門となった。

お袋は嘆き悲しんでいた。

退院。自宅に戻って、風呂に入るときに、人工肛門から便が天井に届かんという勢いで噴き出した。

兄は呆然と見ているだけ。

兄嫁が機転を利かして、すぐさまお袋の人工肛門を手で押さえつけたという。

2年前、再手術をして、校門は元に戻った。

お袋は喜んで、明るい表情をしていた。

だががんは確実に進行していた。

兄夫婦がまたして病院に呼ばれ、入院して抗がん剤投与を打診された。

その夜、お袋はそれを拒否した。

ふさふさの髪がなくなり、歯はがたがた。

そんな醜い顔になってまで、延命措置はいらないというお袋と親子喧嘩が始まった。

兄嫁は泣き出した。、

実家から日曜日の夕食を呼ばれた。

静まり返った食卓に、お袋一人だけが普段通りの饒舌(じょうぜつ)ぶり。

家族はみんな黙って、お袋の独演会を静かに聴いていた。

自分の両親よりも長生きした。

  お袋の母親は若い頃からヘルニアに悩まされ、若くして亡くなった。

  小さい頃から母親代わりに父親と妹の面倒を見ていた。

もう十分生きた。

これより長生きしては、かえってみんなに迷惑をかける。

こんなことを口にしていた。

 x  x

兄嫁はお袋の秘書、ボディーガードをしていた。

お袋が銀行のキャッシュコーナーで下ろした大金50万円を忘れきた事件があった。

気付いてすぐに戻ってみたら・・お金は無い。戻らなかった。

お袋は「株ですった」と思えばいい、とさばさばしていた。

こういうことがあっても、お袋は通りで拾った財布を黙って自分の懐に入れない。

派出所に届け、期間がたち、持ち主が現れず、しかもその全額を子ども会寄付した。

話を戻そう。

事件の後、銀行へは兄嫁が同伴することになった。

こういうこともあって、お袋が亡くなって、兄嫁へのプレゼントをすることになったが、何にする?

姪(兄夫婦の一人娘)のアドバイスもあって、エルメスのバッグ?

兄嫁は娘と親子で、ブランドめぐりをして、シャネルの財布を見つけた。

気になるお値段は、9万円。

兄と顔を見合わせ、2人で大笑い。

誰が買うの?

で、エルメスのカバンは?

目が点になった。小さいので30万円。ちょっとしたものは、100万円以上とか。

そして昨日、プレゼントは結局、このシャネルの財布とヴィトンのバッグとなった。
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